りんごばたけ

白い帽子を被った、高い高い山の合間に小さな小さな村がありました。

小太りな農夫は、村いちばんのかわいらしい娘のことを、心の中で好いていました。

決して彼女と疎遠なわけではありません。ある意味、適度な関係性を保てているとも言えます。しかし逆に、この関係性は農夫にとっても壊したくないものだともいえます。

それに農夫は、賭けに出るのが苦手な性分でした。賭けに出すほどの何かを自分が持っているわけでもありません。

恵まれた容姿もない、天性の剣術の才もない。何もない自分に何ができるのだろう。遅ればせながら、農夫は、手元にあったリンゴの苗を、自分の土地に丹念に植え始めました。

彼女はアップルパイが好物だ。僕のリンゴを使った、とびきりのパイをご馳走してあげよう。

農夫は来る日も来る日も泥だらけで仕事を続けました。通りかかった彼女がその様子を見て、頑張ってるのね、とひとことくれるだけでも彼の胸は躍ります。今はまだ準備の段階だ、彼女を喜ばせられるのはまだ時間がかかるぞ。

彼女の言葉はこの上ない肥料であり、それに応えるかのように、2年、3年と時間をかけ、ぐんぐんとリンゴの木は育っていきました。

そして、4年目の春、リンゴの木々には、それはそれは沢山の花が実ります。

と、見慣れない鎧姿の男性が馬に跨って農道を通り過ぎるではありませんか。兜を脱いだ彼の姿は細身で眉目秀麗。彼はこの先の砦に、春から護衛として赴任することになったそうです。

6月の晴れた日。村では1組の夫婦が生まれました。背の高く、引き締まった肉体が衣装の下からでも見て取れる新郎に、村いちばんの美しい新婦。村民の誰もが認める美男美女の挙式の列は、りんご畑を横切って伸びていきます。その日も農夫はせっせと手を泥で汚していました。

秋になり、農夫の畑には、それはそれはたくさんのりんごが実りました。努力の甲斐もあってか、どれも大粒で、甘味たっぷりの素晴らしい仕上がりです。

農夫はアップルパイを焼きました。彼女の家へと焼き上がったパイを届けます。

農夫がドアを開けた先にいた彼女のお腹は、こころなしか大きくなり始めていました。


農夫は全てを悟ります。


ひとりでは食べきれない量のりんごだけが手元に残り、かと言ってそんなもの放っておけば腐るだけ。

農夫はひとり畑に立ち、細々とりんごを口にするのでした。あまりに水気の多い、不味い不味いりんごでした。

彼女いない歴=年齢の健全少年(21)が†風呂屋†に行ってきた話

 

 

注)一部、過激な表現が含まれる可能性があります。苦手な方はご注意しながらブラウザバックせず最後まで読みましょう。

 

 

 

唐突ではあるが、「生物にとって最も重要なこととは何であるか?」と聞かれ、諸君は何と答えるであろうか?

 

……食物連鎖における優位?________否。

 

……睡眠休息の確保?________ナンセンス。

 

 

そう。個体数面での繁栄である。

岩をも喰らう牙を持ち、鋼鉄の爪で獲物の肉を切り裂き、機関車のように野山を駆ける百獣の王であれど、繁殖ができなければ敗者同然である。先史時代より、この惑星が氷河に覆われていた時代から人類が地上に栄え続けることに成功したのは、紛れもなく、その子孫を残す能力の高さに秘訣があると言う他無い。

 

そして今、この21世紀の日本に、その尊い営みの連鎖の末端となりかねない、それはたいそう惨めな少年の姿があった。

Mr.㌆㌅㍓㌰㌄(みすたーうんちーこんぐ)。21歳。個人告白成績:1試合、0勝1敗。防御率8.00。このままでは、学生という球団からはおろか、人類全体というチームからも、戦力外通告を受けることになるのは時間の問題である。

本当に切実に何とかしなければならない。しかし、自身に異性を惹きつけるほどの魅力など、どこにも見出せない。たとえ努力しようとも、元より生まれ持った環境・素質・丹念に培われた人望を持つ人間などごまんといるのだ。成人してもなお、牛丼チェーンで小児向け玩具付きメニューを購入し、その玩具で遊ぶ様子をSNSに開示するようなイベリコ豚など、到底勝負にならない。

 

んぐっ……!んぐっ……!

少年は1人、夜な夜な布団の上で血涙とDLsiteの音声作品を流す日々を送っていた。

 

そして今日10/14、少年はとうとう思い立った。そうだ。ここは日本。俺はバイトもやっていて自分で処分できる金も多少ならある。俺にも気持ち良い思いをする権利などいくらでもあるではないか。

 

 

 

 

風呂屋に行こう……!!

 

f:id:MrUkong:20211015000653p:plain

少年の眼には、さっぱりとして建物から出てくる自らの姿がありありと見えていた。

 

しかしここで、ある一つの課題に直面する。

近所にあるのか?

少年の故郷、滋賀のデトロイト(個人談)には、複数その手の店舗が存在していることはよく知っており、かなり身近なものだと認識していた。しかし、そこまで同じような所がコンビニ感覚で点在しているとは思えない。

やはり、相応の覚悟を決め、遠征する必要があるのではないだろうか。

 

________あった。

なんか普通に1kmもしない所にあった。

なるほど。行こうと思えばすぐにでも足を運べる距離らしい。しかし、まだ大きな問題が立ちはだかっている。レビューだ。いくら近所にあろうと、肝心の中身がアレなら行きたくない。どこかで耳にした話であるが、いざ現地に踏み込むと、自分の知らない男たちに予期せぬ目線を向けられ、全く自分はそのケはないと伝えて辛々逃げ帰り、後で調べてみると、界隈では有名な場所だった________というケースもあるらしい。

 

 

☆3.7!? 

結構良くね?割と大丈夫そうよね。建物の写真を見るに少々古そうな外観ではあるが、全然許容範囲内である。

決めた。少年は腹をくくった。

決行は午後21時。夕食を終え、現地へ歩を進める。

 

 

 

 

いざ入店。

フロントには、ベテランとみられるメガネをかけた白髪の女が1人座っている。ここで料金を払い、奥に進むシステムらしい。

 

 

と、ここで少年には入れないものと見られる通用口から、これまたかなり年配の女が姿を現した。

「あいあい。おつかれさん。」

ボソボソとした声だったが、フロント婆は通用口婆に向かって確かにこう言ったのである。

 

通用口婆が過ぎるのを背中で見送り、少年はサンダルを下駄箱に入れ、フロント方へと向かった。

 

「1人で。」

 

握りしめた紙幣を無愛想なバアさんに差し出す。ここまで来れば引き返せまい。さらばだ。僕の給料________

 

釣り銭の用意が面倒なのか、種々の硬貨がいくつもフロント婆の前に並べられている。バアさんは慣れた手つきで、僕の差し出した英世を見るなり550円を用意した。

 

 

奥へ進む。先に何名か客がいるようだ。まぁ見た感じ、近所のおっさん、ジイさんらといった所か。地域密着型の店らしい。

 

ここで少年は服を全て脱ぎ去り、生まれたままの姿で聖地へと歩みを進める。

 

 

っと。メインイベントの前に。

まずは身体を清めよう。汚いままではマナー違反にもほどがある。備え付けのシャワーを浴び、万が一の際に備えて持参した新品の「白いブツ」を身体に塗りたくる。シャワーでさらに洗浄を終え、少年は立ち上がった。

 

 

さあ。今宵の主菜だ。

ただ、当然、僕レベルでも「焦ってはいけない」ことぐらい分かっている。

まずは先っちょから。そっと確かめるように感覚を指先に集中させ、指を中へ入れていく。……うん。あたたかい。気持ち良さそうな温もりだ。

 

ええい。我慢してられるか。

今度は全身でその快感を確かめてやる。

 

 

 

 

んはああああああああああああああ

き゛も゛ち゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛

 

 

 

 

身体の芯からぽかぽかしてくる。秋もそろそろ本格化してくるこの時期にこれはシミる。最高の湯加減だ。あまりアツすぎても良くないし、少しでもぬるいと違和感が出てしまう。しかも、快感はこれだけでは終わらない。

 

 

んんん〜〜〜〜〜〜♡♡♡♡♡♡//////

あったかくてぶっとくて激しいのがガンガンあたってきもちいいのおおおおおおぉぉぉぉお

 

 

その快楽に溺れそうな僕の背中へと、容赦なく温水は噴射され続ける。

 

ジェット風呂へ別れを告げた少年は、薬湯、サウナ、水風呂と、心ゆくまで様々なオプションを堪能し、あっと言う間に1時間を消化してしまった。

 

こうして10:30の店仕舞い間際まで風呂を楽しんだ僕の今日の銭湯での戦闘は、男子更衣室へ躊躇なくズカズカと入り込んできた番台のBBAにケツを見られながら幕を閉じたのである。

 

建物の外には確かに、さっぱりと身を清め、快楽に溺れ身を赤らめる少年の姿があった。あ、なんか自販機がある。ペプシジャパンコーラ140円の左には、迫真のフォントで130円と記されたグリーンダカラ(600ml)が。________ゴトン。

f:id:MrUkong:20211015000056j:plain

 

ぐびぐび。うまいねええええええ

 

 

 

 

あ、ちなみに、途中で言っていた「白いブツ」とはコイツのことです。

f:id:MrUkong:20211015000237j:plain

石鹸タオル類は持参制の所も多いので、牛乳石鹸を持っていって正解でした。

 

 

なお、なぜ番台のオバハンが女湯ののれんの奥から出てきた婆さんに「おつかれ」とねぎらうような言葉をかけていたのか、その真相は今だに分かりません。

 

以上、21歳童貞のお風呂場体験記でした。

浜風とともに

 

 

 

________本日は取材を快く引き受けて頂き、ありがとうございます。いやぁ……しかし、10年近くも前に、突如として日本の芸能界から姿を消してしまった、数多の新人賞を総ナメにする程の売れっ子俳優に、こんなに穏やかな地中海の島でお会いできるとは……

 

いいでしょう?ここ。青い海と、海からの風が運んでくれる空気がとても心地良い。

窓際に腰掛けたコタロウさんが、白い歯をのぞかせて余裕のある笑顔を浮かべる。

 

________この島は、コタロウさんが最後に出演された映画『浜風とともに』のロケ地でもありますよね。

 

ええそうです。撮影中はそれなりに時間がありましたからね。ずっと過ごしているうち、この島が大好きになりました。

……その間、他にも何かこの島が好きになるようなことがなかったか?と言うと嘘になりますが……

 

________エッ、……違ったらすみませんね。ここだけの話、ひょっとして、「お熱いエピソード」だったりします?

 

ふふ。まあ、その……ね。クラッと来ちゃうことはありますよね。

コタロウさんが照れ臭そうな笑みを浮かべる。

 

________ここにきて初っ端からスキャンダルですか!?ぇぇぇ、色男にはまいったなぁ〜〜。……お相手は?やっぱり、共演のヨツモトアズサさん?

 

いやいや、アズサさんじゃないですよ。

そう言うとコタロウさんは、窓から外の方に顔を向けた。真っ青な空を一瞥したと思うと、再びこちらをキッと振り返る。

イナリコタロウの目には、かつての名演を想起させる、見る者すべてを自分の世界に誘い込むような凛とした妖力が見て取れる。

 

ひと呼吸置いて、彼はまた話を続けた。

 

…………ここに登って来るまでに、海がよく見える広い坂道を通ったでしょう?あそこの通りに白いドアのお花屋さんがあって、同じ建物の2階に小さなカフェがあったはずです。そのカフェは撮影期間中、何度も足を運んだ場所でしてね。

 

僕と彼女は、そこで出会いました。

 

一服がてら読んでいた台本の奥に、カップをテーブルに置く彼女の手が見えたんです。糸で引かれるように僕は目を上げました。

島の海にも負けないほど澄みきった青い目、透き通るような質感の肌と琥珀色の束ねた長い髪。何より、淡い浜風のような穏やかなほほ笑み。

 

一目惚れというやつですよ。

 

若い頃、語学をかじっていたのが本当に正解だった。冗談なんかもスラスラと。自然と話も弾みましたよ、彼女も映画が大好きらしくてね。実は俳優なんだ、と、茶化したように僕が言うと彼女のほうも興味を示してくれたらしく、僕が店にやって来るたび、気を遣ってこっそりと喋りに来てくれるようになりました。

 

しかし僕には、そこ以外で彼女と会うのはあまりにも難しかった。主役を務める以上、なかなか撮影も忙しいですし、何より当時は色んな人が僕のことを見ていましたからね。

 

どんな話にも、彼女は毎回、すすんで耳を貸してくれました。今振り返ると、彼女がいなければ、撮影なんか放って逃げ出していたぐらいかもしれないですね。本当に彼女には心から助けられましたよ。

 

撮影も終盤になって、またカフェに足を運んだ日のことでした。

クサいですけど、彼女に礼を言いたくなったんです。君のおかげで良いものが撮れたよと。彼女も僕もなんだか恥ずかしくなって。その後もずっと、ぎこちなく笑っていました。ふと時計に目をやって、僕があたふたと席を立とうとした時、

「もっとホラ話聞かせてね。本当におもしろいわ、"役者さん"は」

って彼女が言ってくれたんですね。まだちょっと照れくさかった僕は、彼女の顔を真っ直ぐ見ることができないまま、その日は店を出てしまいました。

……が、今にして思えば、なんだか不安そうな表情をその時の彼女は浮かべていたような気もします。

 

結局、僕がカフェに行ったのは、その日が最後でした。予定より早く撮影が済んで、そのまま日本へ帰る飛行機に乗ることになってしまったんです。

何か言っておくべきことがあったなあ。

そんな想いを誰にも明かせず抱えたまま、機内で悶々としていました。

 

僕が移り住んで来て以来、今も同じ店は続いています。が、彼女にはもう、そこでは会えません……

 

 

窓の遠くを過ぎてゆく飛行機雲を、コタロウさんはじっと眺めている。心なしか寂しげに見える彼の目は、元のゆったりとした目に戻っていった。

 

________なんだか、変に興奮してしまってすみませんでした。俳優生活の気苦労は当時から薄々感じてはいましたが、まさかこれほどまでに甘酸っぱい経験もされていたとは……

 

思わず言葉に詰まってしまった。コタロウさんも、少し笑みを浮かべたまま何も話さない。暖かくもしんみりとした空気が部屋を流れる。

と、ふんわりとした浜風が窓から入ってきて、静寂の中に擦れるような音を優しく鳴らす。

 

 

 

 

 

 

 

 

ガターーーーーーーーーン!!!!!!

 

あまりに不意のことだった。玄関扉をやかましく開け放つ音が響いた。ドタドタドタと元気の漏れ出た足音がこちらの部屋に迫ってくる。

 

 

 

 

 

ぱぱーーーーーーーー!!!!!!!!

 

コタロウさんにめがけて、澄んだ青い目をした琥珀色の髪の少年が飛びかかる。

 

急なことで頭の整理がつかない。狐につままれたかのように私がポカンと拍子抜けしているのに見かねたのか、慣れた手つきで我が子をキャッチしたコタロウさんが、からかうように口を開く。

 

はははっ、やだなぁ。僕は「役者を引退した」だなんて、一言も言っていませんよ。

 

前線を征く

 

  

 

 

 

 

 

にたり、にたり。

 

 

 

 

 

 

________今日このときこの瞬間、私の頬はやはり緩んでいた。

 

 

 

 

とはいえなかなか実感が無いものだな

 

 

 

独り言ともつかぬ声を吐き出しながら、しかしながら腹の奥では何をすべきか分かっているような……

 

 


 

 

 

……受話器を置き、小鳥の音がまだやかましい時間にも関わらずかかってきた電話の内容を、目を擦る妻にも手短に伝える。

神妙になった妻の顔を余所目に、私は携帯を手に取り、昨年遠方で下宿を始めた息子へと電話を繋げるのだった________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今から三十数年も前になるだろうか。

 

 

 

その日は、私が高等学校に入学して丁度ひと月が経った頃だった。

学校から帰って風呂も上がり、部屋で友人から借りてきた小説を開いた時のことだった。

 

何やら下の階の落ち着きが無い。

と、様子を見に行くまでもなく私を呼びにきた母の、いつになく弱々しい声が戸の向こうから聞こえる。

 

 

何かを察するような表情で戸を開けた私に、母は一瞬口ごもりながら、その重い口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

父方の祖父が逝ったそうだ。

 

 

 

79歳だった。

 

「ちょっと書斎に」と声をかけ、階段を上っていったのが祖母との最後のやりとりだったらしい。

夕飯ができたと呼ぶ声に全く返事がないので様子を見に行ったところ、椅子に腰掛けたまま力無く俯く祖父がいたという。

生前にはこれといった持病もなく、老衰で穏やかに迎えた最期だったようだ。

 

 

 

 

 

大戦の時代を生き抜き、贅沢なことや派手なことをあまり好まなかった祖父の性格を考えてだろうか、近い親戚だけが集まって葬式は小さく済ませてしまった。

 

 

 

このとき、誰がどんな顔をしていただろうか。

 

 

 

祖母や叔母たちは涙こそ堪えているものの、鳥の羽がそっと触れただけでも崩れてしまうような、そんな状態に見えた。

 

 

他の親戚たちも皆、血の気の無い顔持ちのまま、下のほうを向いていたのが記憶にある。

 

 


 

 

しかしながら、そこでの父の顔だけは、どうしても思い出せないのだ。

 

私の頭にかすかに残っているのは、少し俯いた背広上下の背中だけなのだ。

 

 

 小刻みに震えているかのようにも見えた。

 

 

その背中は、事前の予兆も無く親を失った衝撃で悲嘆に暮れているような、そんな背中に見えなくもなかった。

 

 

 

 

だが、私にはどうにも、何やら別の感情が見えたような気がしてならない。

 

大切なものを噛み締めて、腹を据えるような、そんな背中に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梅雨になり、その日もまた天気が不安定な中、近い親戚たちが祖母のもとに再度集まった。

 

その日は納骨を行うため、祖父母宅から鉄道で片道1時間ほどの寺まで足を運んだのだった。

 

 

いつ終わるとも知れない念仏を聞きながら、ここでも私は周囲を見渡す。

 

 

 

やはり祖母は、この前と同じく、今にも少しの刺激で陥落してしまいそうな面持ちをしている。

 

あのひとには散々迷惑かけられたんよ

 

寺に来る途中でこう溢していた祖母だが、今日が終われば、50年以上連れ添った伴侶が自分の側からいなくなってしまうのだ。ひとつひとつ心に浮かび上がってくるものを丹念に振り返りながら、やっと搾り出したのだろう。

 

淡々とした住職の声が響く今もまだ、つのる思いが次々と湧いてきてしまって、動揺をまったく隠しきれていない。

 

 

 

 

哀切な祖母から目を離した私は、すぐ真横で正座する父の顔色を伺った。

 

 

やはり、と言ってもいいのだろうか。

 

 

半ば意外だが予想通りとも言える表情だった。

葬式の時もこんな顔をしていたのだろうか。

 

 

 

 

このときの父の目には、涙の兆候らしきものなど、一切見えなかった。

 

 

 

何かを固く決心するような、そんな真っ直ぐで澄みきった眼をしていたのだ。

 

 

 

 

 

しかし一方で、父の口元には、ほんの少しではあるのだが、緩みのようなものが確かに感じられたのだ。

 

と、ここで、私と両親を挟んで座る妹もこの父の表情に気づいたらしく、何やらあちらも父のほうを覗いているようだ。

 

 

にたり、にたりと何かが腑に落ちて可笑しく思っているのか、それでいて何かを噛み締めつつ、強い思いを抱いているような……

 

 

反抗期もまだ遠い少女の目には不審に映ったらしい。

妹は訝しげな顔をしてすぐに目線を戻してしまったが、私にしてみれば、そのときの父ほど、脳裏に深く刻まれている印象的な顔はない。

 

 

 

 

寺からの帰り道、私は誰かと何かを話すわけでもなく歩を進める。

 

孫として祖父を喜ばせることができただろうか、祖母は大丈夫だろうか、すっかりタイミングを逃した昼食はどうするのか、父の真意は何なのだろうか……

 

私はひとり悶々としながらまた一歩足を踏み出す。

 

雨はすっかり止んで、曇の隙から光の筋まで差し込んでいる。

 

 

 

 

 

 

不意のことだった。

 

 

横を歩く父の口が一度だけ解けた。

 

 

 

 

前を見たまま呟くように、しかしながら私の耳には届くように

 

 

 

 

 

 

”順番どおり、か  確かにな”

 

 

 

 

 

 

と言ったのがはっきりと聞き取れた。

 

しっかりとは見えなかった。

だが、やはりこのときも、戦線の最前を闊歩する旗手のような、いつ凶弾に斃れるかとも知れぬ場に立たされたような、そんな覚悟と自恃に満ちた眼だったに違いない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

____あんな顔を浮かべずにはいられない理由も、今改めてよく理解できる。

 

 

……繋がった。

電話越しでは、息子に私の顔を見せてやれないのが残念だ。

 

母が急に寄越してきた電話の内容を息子にも伝える。一寸間があって、昼前の急行さえ捕まえられれば夕暮れ前にはこちらに着くとの返事が聞こえた。

 

 

さあ、旗を地に付けてはならないぞ。

 

新兵の帰りを待つ間、順番通りならば私が再び拾い上げるべき旗を、まだ武者震いの止まらないこの手で、固く固く、握りしめておくことにしよう。

B級ブラック層が紐解く上位ありしあの"強さ"のワケ

🐤今回の記事も、時間の無い方は太字だけ目で追ってくだされば最低限の内容を把握していただけるよう工夫したつもりです。ぜひ、ちょっとした時間に読んで、読み終わった後は拡散していただけると、私としては嬉しいことこの上ありません。

 

 

 

 立秋とは名ばかりの厳しい暑さが続いていますが、ギャングの皆さまはいかがお過ごしでしょうか。時候の挨拶を覚えたMr.㌰㌄ちゃん(コングちゃん)です。

 

 

f:id:MrUkong:20210816213834p:plain

 

 今回の記事のテーマは"上位陣のありしあ"です。

 

お前大会とかで何の実績も無いだろ!調子乗るな!

 

と指摘される方もいらっしゃるかもしれません。はい。仰る通りでございます。お茶さんやネグンドさんたちが開いてくださったトリオ杯にあだ名は13さん・シェリルくんと出場し、練習会でまあまあの戦績を残した(本番もちょっと頑張った)以外には、大きなイベントにはほとんど姿を見せていないので「誰だコイツ」感は半端ないことは重々承知の上です。しかしながら、大学のテスト勉強が辛すぎて憤死していた7月シーズンを除き、最上位とまでは言い難いものの、ほぼ毎シーズンでブラック帯ランキングの真ん中あたりにひっそりと名前を載せており、B級ブラック層」というぐらいの肩書きであれば自分でも勝手に名乗っていいのではないかと考えております(傲慢) 

 

 そのため、大会でも活躍されている「トップ層」と形容できるような方々と対戦する機会も多く、分析資料の収集に関しては満足な環境にある以上、無名ギャングの記したこの記事の信憑性をどうにか補強できればといった次第です。

 

 

 

 

 さて。前置きはこれぐらいにして本題に入っていきます。

 

 

 

 まず前提として、そもそもありしあの「強さ」の本質はどこにあるのでしょうか。その答えを探っていきましょう。

 

 

◯「ありしあというギャング自体が強い

 

 

 否定する余地はありません。強力なGS・GA、高い攻撃力、圧倒的な機動力……正直、どこかしら弱体化する必要があると言わざるを得ないほどの強さです。とはいえ、闇雲な弱体化では意味がないと思われるほど、現時点でありしあは強力だと感じている方も多いことでしょう。そうだとすると……?

 

 

◎だが少し惜しい「使い手が強豪ぞろい

 

 

 使い手の側にありしあの強さの本質があるものと仮定してみましょう。

 他のギャングは大体「この人とこの人が強い」と、おおよそ相場が決まっていることが多いように感じます。しかし、ありしあの場合は、適当にパッと思いつく強い人を挙げてみても枚挙に暇がありません。めちゃくちゃ強い人がいっぱいいます。

 

 しかしながら、失礼は承知なのですが、ブラック帯では強豪ぞろいな一方で、プラチナ以下では特別脅威に感じるありしあ使いの方に遭遇したことはそれほど無いというのもまた事実です。となると、使い手が強いという一点のみにありしあの強さの本質を求めるのも微妙に違うような気がしてきます。

 

 そこで、少しだけ視点をありしあ自身に戻してみて

 

 

◎「上位陣の求めるものをありしあが完備している

 

 

と言うべきではないでしょうか。僕はこの点にこそありしあの"強さ"の秘訣があるものだと考えています。

 

 

 

 以下、上位陣が特に求めるものとは何かに焦点を当てながら、ありしあの"強さ"の秘訣について探りを入れていきます。

 

 

高いタイマン力

 1on1のチーム戦大会である『黄泉ンピック』でも使用する方が見られたように、ありしあのタイマンにおける強さは折り紙付きです。

 

 貫通デトネを搭載しGAで転倒させたところを一気に仕留める型、GA吸収によりホットやディーゼルなどGAへの依存度の高いギャングを完封する型、GSを吸収したりガードブレイクやスタンを用いたりして無常の成功率を上げる型など、多種多様な型が存在しており、相手方はその都度ありしあ側のスタイルを見極めながら対応に追われることとなります。

 

 また、そもそも、近接攻撃についてはリーチ・ヒットまでの早さ・後隙の少なさ全てがトップクラスである点、GAの利用により射程の面も難なくカバーできる点、通常攻撃にも一部ノックバック判定がある点も挙げられ、横槍を入れられない限りは終始ペースを握ったまま容易に相手を制圧することができます

 

 

カネの奪い合いでの勝利に直結するGS

 ありしあGSの最大の魅力は、やはり、手早く対象をキルすることができる点にあると言えます。斬りつける瞬間には対象の真横へと移動するため、GS発動直前に広域を展開しておけば、基本的にはほぼそのままキルしたギャングのお金を奪い取ることも可能です。

 

 

f:id:MrUkong:20210816161938p:plain

 

 また、失敗した場合は無敵時間が即終わってしまうものの、ヒットした場合には計5秒ほどの無敵時間を稼ぐことができ、最終局面で自分が1位の際の時間稼ぎも十分に可能です。

 

 更には、ため直しやすさもその強みの1つです。アビリティにより、敵をキルすることでもありしあはGSゲージを溜めることができるため、中盤で厄介な敵をGSで処理し、もう一度ゲージを溜め直して終盤で再び無常を撃つという立ち回りも難なくこなせます。 

 

 天は二物を与えずという言葉はどこへやら、無常の強みはまだあります。実は、無常は多段ヒット判定になっており、1回1回が即死級のダメージを与える仕様となっています。ジャッジメントのGSバリアや再生バレットの効果など物ともせず、「一撃」で仕留めることが可能になっているヤベェGSなのです。(多段ヒット大ダメージ系GSとしては他にもディーゼルやネモが挙げられますが、ディーゼルはダメージが即死級と言うほどには大きくない点、ネモは即死級ダメージまで10秒ほど時間を要する点で、ありしあGSと比べて利便性の面で劣ります。)

 

 

6位以内を狙う性能」の高さ

 先述の通り、GSを終盤に上手く当てるだけで、ありしあはある程度容易に高順位へと食い込むことが可能になっています。GAや持ち前の足の速さを駆使すれば、大金を持っていてバレットを消耗している敵をピンポイントで狙うことも容易です。

 

 他方、足の早さはマップ端からの中央到達までに要する時間を短くしているということも忘れてはいけません。隅のほうで長期戦を戦い抜いた後でも、時間的にゆとりを持って中央まで向かうことができ、逆転のチャンスを十分に作ることが可能です。

 

 また、そもそもありしあのロールはスプリンターであるということを思い出して頂ければ当然のことだと感じられるかもしれませんが、ROBの面でもありしあはかなり高水準なのです。最悪キルできなくても、敵を継続的に斬りつけることで、ある程度のお金を強奪することが最終局面でも十分に狙えます。

 

 

 

 ここで1つお聞きします敵を逃がさない隙あらば瞬殺できる、中央に行くまでに多少無駄足を踏んでも問題ないROBも高い、邪魔さえ入らなければ1on1最強格…………となると、ありしあと最も親和性の高い戦術とは何でしょう……?

 

 

 ……もう相当数の方が察していらっしゃることでしょう。

 

 

 

ズバリ、『粘着』です。

 

 自身の体制が整った試合中盤において、まとまったお金を持つ敵プレーヤーを見定め、やや人通りの少ないところで強襲。そのままカネを奪っていくというスタイルこそが、ありしあのコンセプトに合致し、かつ、最強格の戦術であると言えます。仮に敵を倒すのに手こずっても持ち前のROBでお金だけは回収して自らの順位を上げたり、耐久戦に持ち込まれても無常で倒してしまったり、多少遅れても中央へ簡単に舞い戻ったりと、粘着戦術のデメリットを網羅的にカバーすることができるのです。ありしあで粘着戦術を使えば、たとえ一位ではなくとも、マッチ終了までに、ブラック層が自らのランク降下を防ぐのに最低限必要な順位まで上がることが容易にできるのです(当然、早めにケリがつけば一位も狙いに行けます)。そのため、ありしあからの粘着戦術に苦しめられるケースは、ブラック層が特にピリついてくるガチンコ期間半ば〜終盤に多発し、この時期は編成・立ち回りの両面で本格的に手を打たないといけなくなるのです。

 

 

パルクール戦での強さ

 車やコンテナなどの障害物を上り降りしたり、周囲をグルグルと回ったり、飛び移ったりするなどして相手を撹乱する戦術をパルクール戦と呼ぶことがあります。主として、攻撃力の高いギャングに追い詰められたギャングが耐久戦のために採ることの多い戦術なのですが、ありしあはこのパルクール戦においても、追い詰める側として無類の強さを発揮します。

 

 まず、何と言ってもそのGAが非常に有用です。相手にヒットすれば転倒・突き飛ばしという効果を付与することができ、逃げ回る相手の体制を崩した上で、邪魔な障害物から相手を遠ざけてしまうことがGAひとつで簡単にできてしまいます。

 

 また、無常空間の存在も忘れてはいけません。いくら壁越しであろうと、無常空間の展開領域内に足を踏み入れてしまったが最期、そのまま斬りつけられてしまいます。車の裏に隠れたつもりでも、裏手から不意の一撃が飛んでくる可能性を常に考慮しなければなりません。

 

 

f:id:MrUkong:20210816155403p:plain

 

f:id:MrUkong:20210816155511p:plain

 

 更には、刀を振り回すありしあの通常攻撃も、パルクール戦においては相当強力なものとなります。前方以外にも、ありしあの通常攻撃は前面上下方向にもある程度広い当たり判定があるため、例えば、車の下から車の上の少し端のほうにいる敵を斬りつけたり、反対に、車の上から、真下で身を隠そうとしている敵にも少し下を向けばダメージを与えることが可能であり、多少障害物を貫通した強引な通常攻撃を当てることができるようになっています。ノックバック判定による行動阻止と相まって、上り降りを主体とするパルクール戦ではトップクラスの強さを発揮しますし、GAがある以上、敵が刀の射程範囲から遠ざかろうとしても逃さず追い詰めることができるのです。

 

 

f:id:MrUkong:20210816155630p:plain

↑エフェクトを見れば一目瞭然ですが車の上にも攻撃が届いています

 

f:id:MrUkong:20210816160022p:plain

↑相手が身体の大きいエリート兵とはいえ、ちょっと下を向くだけで車の下にいる敵も難なく狙えることが分かると思います

 

 

逃げるという選択肢

 実は、「戦う」という選択肢と同時に「逃げる」という選択肢を手軽に選ぶことができるというのも、ありしあの持つ貴重なスペックの1つなのです。ネモやジャッジメント、インセインなどは、一度「戦う」を選んだ以上、相手が退散しない限りは中々自らが戦闘離脱することは難しい性能になっています。他方、エレクトラや竜児など、「逃げる」という選択肢が主流のギャングたちは、反撃が手薄いものだと分かっている相手からいつまでも狙われ続けたりしてしまうワケです。

 

 一方でありしあは、どちらの選択肢を取っても問題なく、しかも高水準のパフォーマンスを発揮できるのです。「戦う」に関しては上記の通りですね。他方、「逃げる」に感しては、そもそも足が早いのと、圧倒的なステップ距離により、他のギャングでは基本的にまあ追いつけないようなことになっています。

 

 

環境の有利さ

 ありしあに対し直接戦闘で比較的対抗可能なギャングとして、ネモやコウちゃんが挙げられます。特にネモは以前体力が増強されたこともあり、その使い手人口を伸ばしている印象があります。

 

 しかしながら、依然としてアンチやホット、ジャッジメントなどの人気が根強く、特にジャッジメントは手錠が弱体化されたこともあって、ありしあに有利なギャングの割合が多い状況になっています。ネモやコウちゃんの人気はこれらのギャングほどのものではなく、この状況に拍車をかけているものと言うほかありません。

 

 

新バレット・バレット調整

 ありしあにとって最大の脅威の1つと言えるスロウが弱体化されたことがやはりありしあ側にとっては大きいです。代わりに、同時期に強化されたワープの数は増える一方であり、たとえ敵に移動されても比較的簡単に追いつくことのできるありしあにとってはそれほど不都合でない場面も多いです。逆に、ありしあ側にとってもワープの使い勝手が良くなったことにより、スロウやネモ、コウちゃんに動きを制約されても、そこから抜け出すことがこれまでより簡単になったと言えます。

 

 他には、再生バレットの登場がやはり大きいです。ありしあにとっては、既存の回復バレットは少し使い勝手が悪く(持続系はもとの体力が少ない以上恩恵が小さいし、瞬間回復系も戦闘時にゴリゴリ体力が減るありしあにとっては使うタイミングがシビア)、そこはある意味1つの弱点とも言える部分でした。しかし、再生の登場により、戦闘を行いながら体力を心配する負担が大幅に軽減され(しかもロック短なので他のバレットとの親和性も高いこともあり)、今やありしあには再生がほぼ必須級レベルのバレットとなっているほどのレベルです。一方で、再生バレットを持つ相手が増えたこともまた、ありしあ側にとっては好都合です。先述のように無常は多段ヒットである以上、基本的に再生バレットでは防ぎきることができませんし、大した脅威になっているとは言い難いのが現状です。

 

 更には、ピュアバリ・白刃の台頭による青春バリケードの相対的減少も、ありしあ側にとっては追い風です。要所要所でこまめに使える青バリとは違い、一度使い終わってしまうとしばらく隙だらけになる白刃や、そもそも無常を防げないピュアバリの増加は、ありしあ側にとっては都合の良いことこの上ありません。また、こうした長時間ガードの採用率増加により、ガードブレイクを用いてより手軽に相手を崩せるようになったのも、1つの大きなアドバンテージです。

 

 

 

 ここまできて、現環境でありしあを使いこなせるブラック帯の人間が、ありしあを使わない理由がまぁ無いということが導けるのではないかと思われます。

 

 運営による弱体化(直接的でなくとも、間接的なものぐらいは流石にあった方が良いのではないかと思います)を待つのも手ですが、2021年8月中旬現在でも、ありしあがこうした強みを持っていることを踏まえた上で、自らの編成・立ち回りを意識すれば、多少はリスクが軽減されるのではないかと考えています。

 

 ……具体的には?……そうですねぇ、ネモおじやコウちゃんの使用、100%ダメガの搭載(個人的には2枚積むぐらいでも良いと思っています)、あとは僕の最近ハマっているものですが、ワープ2枚積みホットで何とか逃げ切るのも1つの手ではないかと思います。ともかく、事前に何かしら手を打っておかなければならないギャングの1つでありことは間違いありません

 

 

 🐤それなら、いっそのことありしあを練習してみよう!🐤

 

 全然アリだと思います。操作は簡単とは言いませんが、得意ギャングが固定していないのであれば是非練習をオススメしたいギャングの1つです。

(ちなみに筆者は、現在ほぼ必須級の再生難民のため、新環境に入ってから全くありしあを使っていません_:(´` ):_ 誰か僕にください

 

 

 長々と失礼しました。この記事を通して、ありしあを使いたい方・対策したい方の双方が、理屈的な面で何かしらのヒントを得ることにつながれば、僕としてはとても嬉しいです。

 

 最後になりましたが、これからもエイムズを通じて色々な方と遊ぶ機会を頂ければ幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。 

                          Mr.㌰㌄ちゃん

 

 

 

 

 

 

 

P.S.

本記事の無断転載・私Mr.㌰㌄ちゃんの許可の無い本記事の内容の抜粋等は固くこれを禁じます。万が一このような不正行為が判明した場合には、本記事が転用されたウェブサイト・出版物等による収入のうち、本記事の内容が転載等されていた期間内全体の日数分の収入に相当する金額を、私Mr.㌰㌄ちゃんに全額支払う旨に合意したものとみなします。また、当事者間での問題の解決が見込めない場合、別途民事手続をとらせて頂く場合もございます。この場合、第1審を京都地方裁判所で行うことに合意したものとみなします。くれぐれも不正な転用等の無いよう、万が一にでもこの記事の内容を利用される場合は、私Mr.㌰㌄ちゃんからの許諾を得て頂くようお願い申し上げます。

【プロテイン前半最終37位】(エイムズ環境考察)永遠のありしあ、逃れられぬホット

~~おしながき~~

  • 【はじめに】
  • ぶらきおホット・最初期】
  • ガード2枚えまちゃん(お茶会必須)・中盤】
  • 貫通狡噛・終盤】 
  • オマケ:他にも強かった・楽しかった編成

  • 【おわりに】
  • 【ご注意】

 

【はじめに】

 どうも、Mr.㌰㌄ちゃん(ミスターコングちゃん)です。 

 大学のテストがジリジリと迫る中、エイムズが5月末に新環境に突入したこと&異常なまでの楽観主義により、今シーズンも何やかんやある程度の成績を残そうといつも通りやってしまいました。その甲斐あってか、今シーズンは前半最終37位(6月15日00:05確認)と、他シーズンと同様に自分なりの及第点を出すことができたので、その勢いでこの記事を書いています。テスト勉強大先生『早くしろや・・・』

 新環境ということもあり、様々な構築を考えてランクバトルで使用してきたため、今回はその内のいくつかを紹介しつつ、並行する形で、時系列順のギャング・バレットの環境考察を述べていきます。

 夏休みの日記を書くので精一杯の僕ですが、読み苦しい記事とならないよう頑張ります。僕の記事を読んで、少しでも皆さんが「へ~こんなバレットでも遊んでみようかな」と考えてくださるキッカケとなれば、僕としては嬉しい限りです。時間のない方は太字だけ読んでも2mmぐらいは内容を理解してもらえるように工夫したつもりなので、その後は適当に引用リツイートでもしていただけると喜びます。

 

【ぶらきおホット・最初期】

ぶらきお・広域・回復@1・ダメガ@1

 今シーズン最初期に僕が用いていた構築です。

f:id:MrUkong:20210615170449j:plain

 厳密に言えば、似たような構築として昨シーズンエンジョイ終了間際から、ジャッジメント像ホット†を弊社は完全独自開発しており、強いのではないかと密かに研究を重ねていました。

 ぶらきおよりジャッジメント像を優先した理由は、攻撃面のステータスただ一点だったのですが、今回のアプデでクールタイムが短くなった(20秒)ことからぶらきお採用に踏み切りました。効果は薄いですが、途中戦闘になった際多少活きたか活きなかったかよく分からない場面もあったような気もします。

(比較対象:エル・モンテズマ、常守朱

 これらのバレットは12秒という長い効果時間、80%カット・デュアルガードという強力な効果を併せ持つ、言わずと知れた人気バレットです。ただ最近は若干使用率の低迷が見られるようにも感じますが・・・(後述)。

 これらとぶらきおとの決定的な違いは、8秒という効果時間の差にあります。まず、ホットの飛行時間はおおよそ10秒ほどであるというざっくりとした認識を持っていただくことがこれを論じる上での前提となります。モンテたちはこの時間を丸々カバーすることができ、ターゲット破壊直前に広域→モンテと間髪入れずに吐くことで、セオリー通りの脱出劇を展開することが可能です。一度飛んでしまえば無常やディーゼルGSなんて怖くありませんし、ありしあ、ジャッジのGAもガードで大して問題とならない、というワケです。

 これだけ聞くと12秒で十分だと感じる方も多いでしょうし、実際の運用でもある程度安定しますが、+8秒さえあれば、更なるアドバンテージを取ることが可能となるのです。

 そのアドバンテージというのが、「離陸前の行動保証」です。モンテは離陸直前に使用することで飛行中のカバーが可能となりますが、逆に言えば、離陸前についてはジャッジ・エレクトラのGAやエマなどの妨害を受けやすいということになります。当然、先にガードを張ってから落ち着いてターゲット破壊をすることも可能ですが、その場合、飛行中の安全性に支障をきたす可能性が出てきます。一方、ぶらきおは20秒という効果時間があり、離陸後はもちろん離陸前も10秒近く転倒系の妨害を食らわずに済むことができ、自己のタイミングでターゲット破壊することが容易になります。かつ、ロック無であることから、ぶらきお→広域という切り方も可能で、万が一の際に回復バレットを切る、100%ガードを切るといったことも余裕でできちゃいます。

 (弱点)

ガードブレイク・ありしあやアサルトがきつい

 この構築を順調に使っていたのも束の間、すぐに限界を感じることになりました。まず何よりきつかったのは、ガード系バレットの増加に伴うガードブレイクの使用率上昇です。当然、長い効果時間のぶらきおは格好の的となる他ありません。また、ホット全般に言えることなのですが、ありしあ・アサルト対面の厳しさが更に増します。通常であればGA回復を積んでいたりしてもう少し食い下がることはできるのですが、今回はありしあに追われ始めたら基本的に死を覚悟しなければならないという状況になりました。さらに今シーズン初期は、GA吸収等ありしあと相性の良いバレットの流行(後述)、アサルト勢の弱体化、スロウの弱体化も相まって、天敵・ありしあの数が目に見えて増えていたこともあり、相当厳しい立場にホットは立たされていました。

 (シーズン最初期の他のギャングたち)

 まずはやはり、バレット調整によるありしあの相対的な強化が印象的でした。GA吸収を積むことでホットやアンチらを完封するありしあ、ガードブレイクを積んだありしあなど様々な型のありしあが見られました。実際僕もGA吸収ありしあは何回か回したのですが、かなり凶悪な性能だったため正直ドン引きしましたね。他にも、GA吸収など面白いバレットを積んだアンチ、白刃どり、スロウ枠がスタンに変わったと見られる編成などが多かった印象です。

 また、ありしあの増加もあってか、うまく隙をつければありしあを粉砕できるアサルト勢のみなさんが、弱体化を物ともせずある程度の数を保ち続けており、それに耐え得るジャッジメントを使用する層も一定数・・・といった感じで、調整前と顔ぶれはそれほど大きくは変わらなかったように感じます。強いて言えば、変わった点としてはやはりロールを問わずブレイク搭載率が上がった点でしょうか。アンチにも積んだ人がいて、安易に襲いかかったら返り討ちにされたこともありました(自戒)。そのため、割られるとロック中ということもあり被害の大きいモンテやその他効果時間の長いバレットは数を減らしたように思います。

 この環境のせいか、ぶらきおホットの仮想敵であるエレクトラなどは数が少なく、今ひとつその強みを活かしきれないままでした。しかし、環境によっては大きなポテンシャルを秘めた構築だと考えているので、引き続き僕が(勝手に)起源主張しておきます。先駆者の方がいればすみません。

 

【ガード2枚えまちゃん(お茶会必須)・中盤】

お茶会・広域・ジュース・100%ダメガ@1

 もともと対ありしあが大の苦手だということもあり、ありしあの大量発生には私は頭を抱える他なく、夜もぐっすりとしか眠れない日々が続きました。そんなある日、いつものように馬鹿みたいな量のラーメンを貪っているとき、ふと「ありしあにキルされるのが嫌なら、ありしあ側に単純にキルが面倒だと思われれば良いのではないか」とい発想を森の妖精さんがささやいてくれました。

 そこで使用を本格化したのが、ネモおじの精神安定剤もといギャングたちの目薬こと、えまちゃんです。断じて金○玉などではない。

f:id:MrUkong:20210615170810j:plain

とてもかわいいですね

 

 採用理由はシンプルです。単純に倒されにくくて狙われにくくなる&ホットの減少、どちゃんこかわいい、この3点です。

(なぜお茶会なのか)

 さて、えまちゃんの自称保護者のみなさんはどのバレットを積んでいますでしょうか。回復系、ラグネオ等々挙げればキリがありませんが、えまちゃんの愛する犬用のケーキの皿(自称)として日々四六時中えまちゃん邸に身をひそめる僕としては、アプデ後の環境において、えまちゃんにお茶会は必須バレットとなっているものと考えています。というのも、100%ダメージガードを5秒を超えて継続できるのは、お茶会以外のバレットには不可能だからです。決して体力の増強に役立つ、えまちゃんとテーマが一致しているというだけではないのです。

 (100%・長時間継続にこだわる理由)

 単に100%ガードにこだわるのであれば、王道の青バリや最近流行りの白刃でも一撃系のGSを防ぐという役職を果たせるようにも思えます。しかし、本当にそうでしょうか。ここで思い出していただきたいのは、えまちゃんのGSの性質です。同じタンクとして人気の高いジャッジメントのものと比較して、えまちゃんのGSは防衛よりも反撃・逆転のほうに主眼が置かれているものと言えます。

 このことが何を意味するのでしょう。カンの良い方、自称えまちゃん親衛隊の皆様はもう察しがつくでしょうが、えまちゃんは自ら積極的にGSを吐いて攻める機会が相当多いということです。その際、ディーゼルやありしあが周りにうじゃうじゃいたとすると、気を付けるべきことは何でしょうか?そう、GS発動直後の復帰狩りがヤバいのです。バレットには効果発生までの0.何秒単位の若干のタイムラグがあり、どれだけGS明け直後に100%ガードを連打しようとも間に合わず、ディーゼルGSなどに破壊されるというようなケースが多々あるのです。

 この問題を解決できる唯一のバレットがお茶会です。GS発動直前に吐き、その後の行動を保証させます。もちろん、ここで100%ガードが無くなってしまうとその後の大ダメージ系GSを防げないので、好みに合わせて青バリまたは白刃が追加であったほうが安心です。また、自分で大金を事前に回収し逆転を狙う必要のない場合については、お茶会の長い効果時間、ラストでのGS発動によりかなり長時間の耐久ができるため、この点でもお茶会は非常に便利です。

f:id:MrUkong:20210615171050j:plain

 (弱点)

結局ありしあには勝てない あとホットはきつい

 確かにありしあのGSをくらう場面は大幅に減りましたし、途中で絡まれてキルされることもある程度少なくなりました。ただし、絡まれ続ければ話は別です。えまちゃんはダッシュ中も常に「攻撃をしている」という判定になり、自動回復が難しいため、継続してダメージを受けるとやはり限界を迎えるときが来てしまいます。大抵のギャングは攻撃をしのぐことは比較的容易なのですが、ありしあとホットは話が別です。まあホットは言うまでもないとして、ありしあについては、GAを駆使されたりステップで盾を上手いこと逃れられたり、ガードブレイクを使われるともうどうしようもありません。こちらからは有効な反撃の手立てもなく(GAで飛ばしてもすぐ帰って来るし、近接は遅すぎる)、ジリジリと削られ始めると死を覚悟するのみとなります。

 シーズン中盤、多少はマシになったとはいえ依然としてありしあの使用率は高く、また、一通り調整済バレットで遊んだホット使いがホットに戻ってきて、タンクには厳しい状況が続いたという印象でした。一方で、この編成はスタンディーゼル等には無類の強さを発揮し、勝率自体はかなり良かった記憶があります。このころには、スロウの影がかなり薄くなり始めた一方で、白刃・ピュアバリの使用率が目に見えて高くなってきており、引き続き貫通やガードブレイクを持った足の速い高火力ギャングに有利な環境だったと言えるのではないでしょうか。

 

【貫通狡噛・終盤】

貫通(DMCのアレが望ましい)・ダメガ・回復・@1

f:id:MrUkong:20210615171656j:plain

 えまちゃんを使うことで、ありしあ・アサルトにキルされる機会は減ったものの、依然としてやはりジリジリと追い詰められると厳しいものがあり、こうしたギャングたちに戦闘が苦手な僕でもどうにか一矢報えないかと考え、狡噛を使えば良いという結論に至りました。

 主な仮想敵は、試合の中盤で出くわす10万以上持ったありしあ、アンチやディーゼルなど極端に体力が高いワケではないというギャングたちです。攻撃を当て続けることで高火力のダメージをガードを貫通させて与え続けることを想定しました。やはり、ありしあやアンチに対する効果はすさまじく、ダメガやジュースを無視して強引にねじ伏せることができるケースも多かったです。これで、僕の対ありしあの勝率も0.1%から体感40%ほどまで上がったように感じます。

 ラスト1枠についてはラグネオかダメガをもう一枚入れることを推奨しています。上位に食い込むことを優先するなら前者、継戦能力を重視するのであれば後者と、そこは好みに合わせて・・・といった感じです。

(弱点)

結局攻撃を当てないとありしあに勝てない・あと最初アサルトに捕まったら終わる

 攻撃を継続して当てられさえすればほぼ勝ちです。しかし、裏を返せば、エイムが安定しないとただのカモだということにもなります。ホットやえまちゃんなど比較的エイム要素の薄いギャングを愛する僕がいきなりコウちゃんを握ったとてエイムがよくなるはずもなく、前半最終日までありしあには苦しめられることになりました。

 また、ありしあやアンチなど体力の低いギャングが相手ならまだマシなのですが、バス降車直後にアサルトと撃ち合うことになれば、バフの乗らないこちらが圧倒的に不利となるのは目に見えています。良い子のみんなはスロウをかけられたらスマホなんて窓の外に投げてしまいましょう。

(他のギャングたち)

 シーズン前半終盤ということもあり、安定性を求めてか、弱体化を物ともせずいつも通りジャッジメントが増殖を始めました。これに伴い、ホットの数も回復傾向にあったように感じます。ありしあ、ディーゼルらの人気も引き続き衰えることはなく、結局のところ顔ぶれは前シーズンと大きく変わった所はなかったように感じました。

 バレットに関しても、白刃やピュアバリの台頭、ブレイクの増加などといった現象は見られたものの、「ダメガ・回復・広域・@1」というベーシックな編成は崩れることなく、残り一つの枠も、ガードや回復2枚目、デトネや状態異常系など人気かつ安定した性能のバレットが入り、全般的な傾向は崩れることがなかったように感じます。ただ、マイナーバレットの運用の幅が広がったのは事実なので、対戦環境の新規開拓はどんどん進む可能性が依然大きいものであると僕は思っています。

 

【オマケ:他にも強かった・楽しかった編成】

・毒ホット

ダメガ・回復・・@1(毒や広域、ダメガ、回復等広く採用可)

f:id:MrUkong:20210615171717j:plain

 言わずと知れたテンプレ型ホットの一つ。タンクに対して無類の強さを発揮し、状況次第では戦闘の得意な他ギャングにも十分勝機を作ることができる。体力吸収系には若干刺さりにくい節があるが、現環境ではやはりジュースなど継続回復が多く、そうしたバレットを嫌々ながら敵に使わせることができるのは楽しい。反面、終盤における現金争奪戦・キル祭りに際しては、毒バレットの性質上、満足に活かすことが難しい場面も少なくない。

キャラットホット

ダメガ・回復・キャラット・@1(広域、ダメガ、回復等広く採用可)

f:id:MrUkong:20210615171736j:plain

 シーズン前半終了間際に少し流行っていた印象。毒ホットとはうってかわって、中盤戦における脆さと引き換えに、終盤での現金争奪戦での利便性を向上させる編成。大金を持つ1位やターゲットを蹴り続けるジャッジなどに撃ち込み、一人勝ちを阻止して自分の利得にしてしまうのが主な戦術。やることはシンプルなので、ホット経験が浅い人でも容易に扱えると思われる。

・GA吸収ありしあ

GA吸収・@3

f:id:MrUkong:20210615171754j:plain

 ありしあを扱う上で立ち回りの軸となるのがそのGA。転倒効果あり、それなりのダメージありと使い勝手が良いが、ゲージについては、そのままでは少し不十分に感じる場合も多い(とはいえそこが強化されると世界は終了するのだが)。そこで、そのGAの回転率を上げるため、ロックの短くなったGA吸収が注目を集めた。エレクトラ・ホット・ディーゼル・アンチ・ダンテといったGAへの依存度の高いギャングには当然大きな脅威となるし、また、近接攻撃を当てることによっても吸収効果は発動するため、近接攻撃主体で戦うありしあにとっては尚のこと都合がいい。ハイオクについては攻撃のステータス上昇が付与されることもあり、さらにありしあとの親和性を高くしている。めちゃくちゃ凶悪な性能。

 

【おわりに】

 ここまで読んでいただきありがとうございました。

 この記事を通して、こんな変なことを考えているヤツがまだおったんやなぁと僕のことを脳のすみっこに入れてもらうと同時に、新しい編成を考えてエイムズを遊んでみようと、皆様のモチベーションに少しでもつなげてもらえれば、僕としては嬉しいことこの上ありません。

 来シーズンこそは流石に勉強に追われてなかなか出没できないと思われますが、皆様の不意をついてランクマで襲いかかることができたら、その時はまたよろしくお願いします。それでは。

 

【ご注意】

 この記事を引用するなどして、利潤を目的としない個人的な用途でご利用頂くことは大歓迎です。むしろ宣伝して頂けると僕のモチベにもなります。

 しかし、この記事の内容をそのまま、もしくは非常に類似した内容のものを攻略サイト、広告つき個人ブログに掲載する、動画作品内で取り扱う等、利潤を目的とする本記事の転用等については固くこれを禁じます。利潤目的での不正な転用等が判明した場合、私Mr.㌰㌄ちゃん(Twitter:@Hashibaya_45,@MrUkong)に対し、当該記事等掲載期間内における当該サイト・出版物・映像作品等で得られた広告・販売等に関わる収益全額を、報酬として支払う旨に合意し、また、私からの、当該出版物・サイト記事等の公開に対する差し止めの請求にも1週間以内に必ず応じることに合意したものとみなします。なお、不正転用等があった際には、第一審の管轄裁判所を京都地方裁判所とすることに合意したものとみなし、私のほうからも法的手続をとらせていただきます。

 

 まぁ、なんかものものしいことを書きましたが、要は、こんなくだらない記事でも「使いたいな~」と思って頂いた際には、必ず僕のほうに連絡をとって確認していただけるとトラブルもなくていいよね~ってことです。平和で楽しいエイムズ環境を維持していきましょう!!!ではでは!

【ネタバレ有】『劇場版ポケットモンスター ココ』の細部に関する考察

【ネタバレ有】劇ポケ2020の細部に関する考察


【本記事は『劇場版ポケットモンスター ココ』に関する重大なネタバレを含みます】






しばらく、ネタバレ防止の為の空白を置きます
















 お初にお目にかかります。

私、Mr.㌆㌅㍓㌰㌄(みすたーうんちーこんぐ)、(ミスターUK)と申します。

私自身、はてなブログを利用するのが初めてなので、拙い部分がありますがどうかご容赦ください。


 



あと、結構主観的な部分もあるかもしれないのでご容赦ください_:(´ཀ`」 ∠):_

「正解の解釈」ではなく、「なんかオタクが嬉々として語ってる」ものとして、半分聞き流すような感じで読んでください_:(´ཀ`」 ∠):_

























 先日公開された『劇場版ポケットモンスター ココ』、私も昨年末、劇場へと観に行って参りました。

 これまで多くの考察勢の方々がストーリーに関して記事を書かれてきたようで、様々なものを拝見いたしました。

 今回私がこの記事を書くに至った経緯としては、「私が目にした多数の記事の中では、恐らく誰も触れていない部分」に関する私の考察を、皆様と共有したいという思いに至ったことが前提にあります。

 また、1ポケモンファンとして、何らかの爪痕を残し、同じポケモンファンの皆様と交流できる機会となればと思い、このような駄文を書くに至った次第です。どうか最後までご笑覧ください。

 


















 さて、今回のテーマである

「親子」及び「排外と協調」・「人間たちとポケモンの関係性」

を看破した記事として、私の先輩のお一人が書かれたものがありました。

こちらに掲載しますので是非ご覧になってください。

私の記事の内容自体、細かいものですので、ストーリーの主軸に関する考察はしてありません、そういう意味でも是非是非_:(´ཀ`」 ∠):_


https://mesprit-481.hatenablog.com/entry/2020/12/28/090008


 本題に戻ります。

 ずばり、「今回の劇ポケの細部」に関する考察です。

 と、言いましても、細部と言えども、その多くについては既に考察がなされていることと思われますので(1月上旬現在)、本記事では「マジで殆ど誰も考察してなさそうなある1点」について的を絞って触れていきます。

(既にお書きになっている方がいらっしゃったら大変申し訳ありません……


前置きが長くなりました。


私の考察テーマは

『ゼッド博士を除いたカレンら他の研究員たちは、何故最終的に責め立てられたりしなかったのか』

というものです。


f:id:MrUkong:20210118134149j:plain


 今回の黒幕であるゼッド博士が、ジャングルや神木、ポケモンたちに危害を加えたことは言うまでもないですが、他の研究員たちも少なからずそうした行為に加担しており、「なんか知らんけど最後他の研究員許されてて草、モヤモヤするわ〜」といったような感想を持たれた方も少なくないでしょう。実際私も、多少面食らった節はありました。しかし、よくよく考えてみれば、彼ら研究員たちは、ある意味では「許されて当然」でもあったのです。


 まずは今回のストーリーの軸であるザルードたちに焦点を当ててみましょう。彼らは、自分たちに受け継がれる歌の中における「ザルードの掟」を行動指針とし、ジャングルに住む他のポケモンたちに対して横暴で高圧的な振る舞いをしていました。


f:id:MrUkong:20210110222918j:plain


 やがて、ゼッド博士一行が神木を目当てにジャングルへと侵攻して来ますが自分たちザルードだけでは歯が立ちません。


 しかし、暴走を始めたゼッド博士に対抗するべく、とうちゃんザルードが森のポケモンたちの協力を得て、強大な力を身に纏って現れたのをきっかけに、その歌の解釈は間違ったものであったことに気付かされたような様子を見せます。自分たちだけでなく、他の存在と手をとりあい、誰も欠かしてはならないといったことこそが本来あるべき歌の解釈だったのです。自分たちの勝手な考えに基づく、『「排外的な盲信」としてのザルードの掟』が崩れ去ったのでした。長老のセリフにも、ザルードたちがそこで間違いを自覚したことがくっきりと示されていますね。


f:id:MrUkong:20210110222954j:plain


 さらに、森のポケモンたちも、ザルードたちに合わせて足を踏み鳴らすシーンが印象的でした。森のポケモンたちもまた、「ザルードたち同様『ジャングルに欠かせない存在』」として、排他的な姿勢を捨てて、自分たちと異なる存在と協調する姿勢を見せたことが読み取れるのではないでしょうか。



 ここで研究員たちに目を向けましょう。彼らは、信頼を置いていたゼッド博士に自らの「人間とポケモンとの調和(会社が掲げてもいる)」という理想的な信念を重ね、彼に協調していたものと見られます。


f:id:MrUkong:20210110223021j:plain


 しかし、剥き出しになった博士の野望を前に、研究員たちの博士に対する信頼は大きく揺らいでいきます。彼らは、「排他性の象徴」であった博士の表の顔しか知らなかったのです。(ゼッド博士が「排他性の象徴」として描かれていることは、「ポケモンごとき」「私が正しい」といった、博士の発言の節々から容易に読み取れます。)


 彼らもまた、自分たちにできることはないかと、ザルードや他のポケモンたち、サトシらに協力する姿勢を見せていきました。


f:id:MrUkong:20210110223053j:plain


 こうした経緯のもとで、カレンから、ザルード・森のポケモンたちに向けた、ジャングルの復興を約束する言葉が発せられます。


 それを聞いたザルードたちは、カレンの「伝わっている」という言葉通り、研究員たちを責め立てることなく、その言葉を受けとめ、協調していく様子を見せたのでした。

 


 ここから考察タイムに入ります



 おそらく、カレンら研究員は、自分たちと同じ信念を強く持っていると思われた「ゼッド博士」という存在に対し、盲目的になっていた節があり、その本質を見抜けないまま、計画を率いるゼッド博士に加担し、災厄に関わってしまったということに罪を感じていたのでしょう。その罪悪感から、少しでも罪滅ぼしをするために、森の復興を心から誓ったものと見られます。


 一方で、ザルードの側も、自分たちの行動指針である「ザルードの掟」というものを、曲がった解釈のもとで用いていた節があり、その本質を見抜けないまま、森のポケモンたちに危害を加えていたのでしょう。


 しかも、研究員たちは、捉え方によっては、ゼッド博士に無自覚的に利用されていた部分があるとも言えます。一方でザルードたちは、歌の本意を知らなかったとはいえ、その解釈は完全に独りよがりなものであり、「掟そのもの」には何ら悪い部分はないですし、この点で、ザルードたちの方がより独善的だとも感じられます。

 

もうここまで来れば結論は見えるでしょう。


自分たち同様に、行動指針となっていた「信頼のおける存在(実際は排他性を生み出すもととなっていた)」に対する、己の思い込みを自覚し反省するような研究員たちを、非難できる筋合い・理由など、ザルードたちには無かったのでしょう。


 (また、森のポケモンたちも、ザルードたちと同様の心情であったとすれば、研究員たちを拒むことはありません。実際、無知による過ちをポケモンたちが過度に責め立てることはないというのは、花火の筒で寝ていたタイレーツが救出された際、村人の「知らなかったとはいえタイレーツには悪いことをした(うろ覚えですが……)」という言葉を受けて、人間を激しく非難するような姿勢をタイレーツたちは見せなかったことにも表れていると思われます。)


 研究員たちのことをザルードたちが咎めなかったのは当然とも言えるのです。自分たちも、同様もしくはそれ以上の過ちを犯したうえ、今必要なのは牙を剥くことではなく、手を取り合うことだとザルードたちは分かっているのだから。


f:id:MrUkong:20210110223217j:plain


 やはりここにも、盲信の裏に隠れた「排外」と、そこからの「協調」への移行とが、自然な流れのもとで描かれているものと見て取れるのではないでしょうか。



 私の考察は以上となります。最後までご笑覧いただきありがとうございました。

ツッコミ所等々あれば何なりとご指摘ください……_:(´` ):_   ではでは