【就活体験記】キチィ~オタク(ポケモンサークル産)が就活してみた

こんにちは。UKです。

 

去年の夏頃から、「良いところに就職できたらいいし、不満足なら院試受けるcar」という安易な気持ちのもと、法の勉強の傍らで就活をしていました。

 

その中で、それなりに色々とあったので、現在就活に励むポケモンサークルのオタク、これから就活に励むオタクの役に立つことができればと思います。

 

 

臨場感を出すため、実際の最終面接を再現しながら、この記事のストーリーをしばらく間は進めていくことにします。

 

 

 

👨‍🦳:(面接官のおじさん。某大手企業の管理職。つよい。仕事の話が好きそう。)

🐵:(筆者。就活生。京都大学法学部24年卒業予定。最終成績は3勝16敗となる。)

 

 

 

コンコンコン

 

👨‍🦳「ん、どうぞ」

 

キィ~ィ

 

🐵「シツレッシャッス(緊張)」

 

ペコペコ

 

👨‍🦳「……あ、その横の椅子に荷物置いて傘も掛けていいよ、どうぞどうぞ、座ってね」

 

🐵「ンアザマッスゥ ンン シツレッシャッス(慇懃無礼)」

 

👨‍🦳「UKくんだね?」

 

🐵「ンァハィ」

 

👨‍🦳「本社までお疲れさん、……UK君の出てる××高校って公立だよね?年に京大何人ぐらい行くの?」

 

🐵「1人か2人ですね(即答学歴厨)」

 

👨‍🦳「ほほう 君はつまるところ××高校の俊才ってワケだ、大学の単位取得状況も申し分ない」

 

🐵「オソレイリマャス」

 

👨‍🦳「1次からの面接でウチのK(座談会で会った強そうな別のおじさん)と会った話してくれてんだよね。アイツとは同期なんだけど、話は合った?」

 

🐵「タノシク オハナシ サセテイタダキマシタ」

 

👨‍🦳「そかそか。……今までの面接でも真面目そうな感じなのはある程度分かるんだ。」

 

👨‍🦳「……うん!もうね、合格あげるから。おーん。あとは入った後の説明と思って聴いといて」

 

 

 

 

 

 

 

 

!??????????

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんか突然、勝利してしまった。

 

色々と受け答えの準備はして行ったが、先にネタバレすると正直なところ、この会社の最終面接においては本当に一切関係なかった。(逆質問で少しネタ切れ気味になったのでそこは反省点である。)

 

「大学はそりゃまあ良いところなんだから、一定以上の頭はあるでしょ。んで、君の大学の問題点は2つ。コミュニケーションやチームプレー面でとにかくヤバい奴、卒業できるか怪しい奴を弾くだけなんだ」

とのこと。

 

どうやら無事に規定のラインを上手くすり抜けることができたらしい。オタクなのもここでは関係なかったようだ。

 

聞こえの良い話ではないが、僕が申し込んだのが全国転勤型の総合職で、かつ会社運営側の花形ポジションを将来的に目指すコースである以上、手綱を握る側の立場なので、やはりある程度のアタマは求められるのは分かっていた。

 

ただ、そこはもう面接で深掘りも特にされていない。

 

むしろ、「なんか温厚で会議もスムーズにできそう」、「ちょっとポンコツだけど憎めない奴だ」、「仕事も真剣に取り組みそう」といったハートの面を、緊張しながらでも自分の言葉で伝えることができれば、後は「まあでもコイツ〇〇大やからな」と、ほんのあと少し、経歴が背中を押してくれる。はじめにハートの部分からしっかりとアプローチをかけていれば、十分な勝算が見込めるのだ。

 

僕が就活に際して特にお世話になった先輩の1人が

「学歴は後発ダイマ

と、ポケモンサークルらしい例え話をしてくださったのだが、まさにこの通りだった。

 

もちろんこれは、ハート派のアピールが全てというわけではないし、作業意識や能率を重視するスキル派のアピールが悪いなんて言うつもりはさらさらない。

 

ただ、これは、ぜひ1つ紹介させていただきたいエピソードなのだが、とあるインターネット事業会社の一次面接(集団オンライン)で、僕のすぐ横に東大の理系バリバリ研究家マン(院生)がいたことがあった。たぶんオタク気質だろう(ド偏見)。

 

研究家は表情、仕草こそ堅かったものの、自身の研究内容などを論理立てて丁寧に説明しており、「悪いやつではないんだな、実直なやつなんだな」という印象を受けた。

 

ただ、その後の「周りからはどう言われることが多いか?」という質問で、彼は

「私は明るく活発な人間だとよく言われます」

と即答し、面接官の表情が一気に硬化してしまった。

 

その後、自分のターンが回ってきたため、個別指導塾のアルバイトに先の質問で触れた延長で、「面倒見が良い、と言ってもらえることが多々あります、自分としてもすごく嬉しいですね」と返すと、面接官の表情が再び柔和なものへと戻っていった。

 

ここで問題なのは、彼がオタク気質に見えることでも、

「私は明るく活発な人間とよく言われます」

という台詞でもない。

 

むしろ彼が、世界中を闊歩する外国語が堪能なバックパッカーであったり、研究に関する所でも、同じ研究室の仲間や外部の人間との交流・協働について先立ってある程度触れていたとしたら、この台詞も十分好意的なアピールになり得たはずだ。

 

彼の強みとして明白なのは、その説明・プレゼン力に裏打ちされた丁寧さや、研究に打ち込む為の、ここぞという時の集中力であり、今この場でアピールを期待されているのはそこだったのだろう。スキル派としての真っ直ぐさを、自身の意欲にも繋がるなどといいながら、周りから認められたエピソードの1つでも言ってしまえば花マルだったろう。

 

それが、ハート派を通り越してアクティブ派のアピールを目のシワ一本動かさずぶち込んだのだから、途端に疑わしくなる。

 

先ほどまでの流暢で論理的な話も、これでは参考書のコピペや、いいとこ台本を読み上げているようにしか聞こえなくなってしまう。

 

表情が固いのは緊張のせいで、普段はもっとフランクなのだとか言い分はいくらでもあるだろうが、これでは「正体不明」で「匿名化」された、アノニマスの状態に見えてしまう。

 

🐵もよく言われたことだが、

「🐵自身が見えてこない」

状態になるのだ。

 

オタクという生き物の性質上、普段は日陰者としての役割に慣れており、やましいと感じる部分から人の目を逸らすため、仮面を付け替えて踊りを演じ分けるのに慣れきっているのが自分自身でもよくわかった。

 

だが、面接、ひいてはその先の仕事は、マスカレードでも何でもない。仮に、仮面を被るとしても、それを切り離すのはむしろ悪手だ。

 

お前は何者なのだ、どんな時に心が温まるのだ。

 

この問いに対する自分の回答の軸を詰めれば、高学歴、あるいは資格試験や諸般のテストで優秀な成績を収めたオタクは、もともとスペックのある真人間に、プラスアルファで固有の信念の厚さを持ち合わせた、味の濃い経歴の学生となるのだ。

 

チームプレーや他者への感情の震えは、中高の部活やサークルで補おう。

 

ポケモンサークルが決して就活に弱くない所以が今になりよくわかった。今まで色々な先輩から、声の形でこうしたことを教わってはいたが、自分でも再確認したことなので、こうして少しでも形に残してみたい。

 

さて、こうして、選考についての講釈は散々垂れたものの、結局受け身ではそもそも何も始まらない。なので、Amazonギフト券のオマケに釣られたとか何でも良いから、選考、マイページ、説明会、座談会、インターン、企業と大学のコラボ授業、

とっかかりの部分は何でも良い。

 

受けろ、そなたは美しい。